最新の動画生成ツール「Kaiber AI」が変える映像制作のこれから
様々なシーンでAIの利用を耳にするようになった現在、動画制作の現場でも大きな変化が起こっています。この記事では最新のAI動画生成ツールのひとつである「Kaiber AI」が動画制作環境をどのように変化させるのか、そしてその具体的な機能や他のAIツールについても詳しく紹介します。
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Kaiber AIとは
Kaiber AIは、AIを活用した動画生成ツールでプロンプトと呼ばれる指示文章を入力するか、イメージ画像をアップロードすればユーザーのニーズに応じた動画を自動的に生成することができます。海外の有名アーティストがKaiber AIだけでミュージックビデオを作成して話題にもなりました。動画制作を一度でもチャレンジした方ならわかると思いますが、映像素材の撮影は撮影技術の習得はもちろんのこと配役やロケーション、機材などの準備に膨大な時間がかかります。ところがKaiber AIを使えばプロンプトの指示文章やイメージ画像をアップロードするだけで、配役や機材、スケジュールに頭を悩ますことなく映像素材を作りだすことが出来ます。これがどれほど凄いことなのか想像に難くないはずです。まだこのような手法はそこまで一般的になっていませんが、今後はもっと手軽にAIだけで映像素材や作品ができてしまう未来がくると思います。
Kaiber AIで出来ること
この記事を読んでくれている方も「実際にどれくらいのクオリティーの動画ができるのか?」と疑問を持たれると思います。ここからは私が実際にKaiber AIで動画生成を試したのでその手順をご紹介します。
- ユーザー登録後無料で動画生成が試せる
- プロンプトとスタイルを選択する
- ビデオの尺やアスペクト比などを選択する
- プレビューからベストなイメージを選択して動画を生成する
ユーザー登録後無料で動画生成が試せる
まずはKaiber AI のサイトにアクセスし、Googleアカウントなどでユーザー登録は必要ですがそれさえ済ませてしまえば現在60クレジット分の動画生成が出来ます。早速無料分で動画生成の「Motion」を試してみます。
ここではイメージ画像やオーディオをアップロードすることで、あなたの作りたい動画に近づけることが出来ますが、今回はプロンプトだけで生成してみます。
プロンプトとスタイルを選択する
英語にはなりますがプロンプトとスタイルを入力することでAI技術を駆使して映像に高度なエフェクトを追加することが出来ます。プロンプトを詳細に入力すればそれだけクオリティーの高い映像を生成することは出来ますが今回はシンプルに「Cats adventuring in the forest(森を冒険する猫達)」と入力しました。スタイルは右側にあるプリセットパネルから水彩画風の「Watercolour」を選択します。
ビデオの尺やアスペクト比などを選択する
次に生成するビデオの尺やアスペクト比、Motion(コマ数)などを選択していきます。無料アカウントでは最大の尺は6秒までですが有料版(Proアカウント-月額10ドル、Artistアカウント-月額25ドル※2024年6月現在)であれば最大2分40秒まで尺を伸ばすことが出来ます。
プレビューからベストなイメージを選択して動画を生成する
短いプロンプトを入力しただけですが、かなりイメージに近いプレビューを4枚作ってくれて驚きました。
この中から1枚を選択し右下にある「Create Video」をクリックすれば数分で動画を生成してくれます。二匹の猫が動く動画が完全に出来ています。
このアニメーションを0から作るなら技術的にも相当時間がかかるはずです。今回の生成で30クレジット使用しましたが無料アカウントでも2クリップは動画を生成できるので、是非この制作フローを丸ごと変えてしまいそうなテクノロジーをあなたも体験してみてください。
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他の注目される動画生成AIツールを2つ紹介
OpenAI社が開発した次世代の動画生成ツール - Sora
ChatGPTという名前はもう説明が必要ないくらい世の中に浸透しました。そのChatGPTを世に送り出したOpenAI社は2024年2月に動画生成ツール「Sora」を発表しました。
実際にSoraで生成された下記の動画のイメージを見ていただけるとわかるように、これまでの動画生成ツールと一線を画す内容になっています。
Soraは他の動画生成AIとの違いは物理的な表現を得意としており、人物や物体の動きが非常にスムーズで違和感なく表現されています。
発表によるとプロンプトから60秒までの高画質動画を生成できるようになっており、画像から動画への変換や、異なる二つのシーンの動画を合わせて統合することもできるようです。他にも生成AIで常に問題になるディープフェイクなどのリスクに対して事前にプロンプトをチェックするフィルターなども実装されるとのことで、肖像権やプライバシーなどの対策も万全に開発が進められています。
一番気になる具体的なリリース日が実はまだ発表されていませんが「Sora」が今後の動画生成AIシーンを大きく変えるのは間違いないでしょう。
動画編集ソフトも次のステージへ - Wondershare Filmora
動画編集者であればFilmoraという名前はご存知の方も多いと思います。Filmoraは近年様々なAI機能を搭載しており、他の動画編集ソフトと明確な違いを出してきています。現在もバージョンアップごとに編集をサポートするAI機能をどんどん実装しており、初心者でも上級者でも扱いやすいソフトウェアに進化しています。
こちらから無料でダウンロードします。
最新バージョンではAI動画生成も搭載しており、こちらは他の生成ツールとは少し違った特徴があるので少しご紹介したいと思います。
FilmoraのAI動画生成を試してみる!
このAI動画生成はプロンプトの入力ではなく、まずナレーション原稿やストーリーをテキスト1000文字以内で入力します。
その後画面のアスペクト比とナレーションタイプを選択して「文章から動画生成」をクリックすればAIがこのシナリオにあった動画や画像、アニメーション、さらにナレーションとBGMまで生成しタイムラインに並べてくれます!
テキストから瞬時にコンテンツを作成できるので、時間と労力の大幅な節約になるはずです。正直ここまでやってくれるならあとは微調整だけで作品を作り上げることができるでしょう。これはちょっとすごい。
もしあなたがAI動画(画像)生成をこれから始めたいと思っている動画編集者なら、一つのプラットフォームで全て完結できるFilmoraはかなりオススメです。
まとめ- AI動画生成の利便性と法的な注意点
今回ご紹介したKaiber AIを始めとする最新のAI動画生成ツールを見ていただければわかるように、短いテキストだけで誰でも簡単にクリエイティブな動画コンテンツを作成できるようになりました。
同時に撮影や編集作業も大幅に簡略化できるようになり、この流れは今後もより加速するはずです。ただし生成AIには著作権やプライバシーに関する法的な注意点を守ることが非常に重要となってきています。そのためにもクリエーターは各協会のガイドラインなどにも関心を持ち、情報をアップデートしていく必要があると思います。ぜひそれらを踏まえてAI動画生成ツールを活用し、自分だけの魅力的なコンテンツ作りにチャレンジしてみてください!